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訪問購入

事業者が消費者の自宅等を訪問して、物品の購入を行う取引のこと。

(以下の内容は概要です。詳しくは、特定商取引法の条文の該当部分を御覧ください。)

特定商取引法の規制対象となる「訪問購入」

1.定義(法第58条の4)

「訪問購入」とは、購入業者(※1)が、店舗等以外の場所(例えば、消費者の自宅等)で行う物品(※2)の購入のことをいいます。

(※1)「購入業者」とは、物品の購入を業として営む者を意味します。「業として営む」とは、営利の意思をもって、反復継続して取引を行うことをいいます。なお、営利の意思の有無については。その者の意思にかかわらず、客観的に判断されることになります。

(※2)「売買契約の相手方の利益を損なうおそれがないと認められる物品」又は訪問購入に関する法の規制の対象となった場合に「流通が著しく害されるおそれがあると認められる物品」として、政令第16条の2に列挙されている物品を除きます。こうした物品の具体例は、「特定商取引に関する法律等の施行について」の別添8をご確認ください。

2.適用除外(法第58条の17)

以下の場合には、特定商取引法が適用されません。

  • 事業者間取引の場合
  • 海外にいる人に対する契約
  • 国、地方公共団体が行う訪問購入
  • 特別法に基づく組合、公務員の職員団体、労働組合がそれぞれの組合員に対して行う訪問購入
  • 事業者がその従業員に対して行った訪問購入
    また、以下の場合は一部規定(法第58条の5、法第58条の6第2項及び同条第3項)を除いて、特定商取引法が適用されません。(政令第16条の3)
  • いわゆる御用聞き取引の場合
  • いわゆる常連取引の場合
  • 住居からの退去に際し、売買契約の相手方から取引を誘引した場合

訪問購入に対する規制

【行政規制】

1.事業者の氏名等の明示(法第58条の5)

事業者は、訪問購入を行うときには、勧誘に先立って、相手方に対して以下のことを告げなければなりません。

2.不招請勧誘の禁止(法第58条の6第1項)

事業者は、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、相手方の自宅等で売買契約の締結について勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはいけません。いわゆる飛込み勧誘や、単に相手方から査定の依頼があった場合に、査定を超えて勧誘を行うことは、法に抵触することになります。

3.再勧誘の禁止等(法第58条の6第2項、第3項)

事業者は、訪問購入を行うときには、勧誘に先立って相手方に勧誘を受ける意思があることを確認しなければなりません。

また、相手方が契約締結の意思がないことを示したときには、その訪問時においてそのまま勧誘を継続することや、その後改めて勧誘することが禁止されています。

4.書面の交付(法第58条の7、法第58条の8)

事業者は、契約の申込みを受けたときや契約を結んだときには、以下の事項を記載した書面を相手方に渡さなければなりません。

  • 物品の種類
  • 物品の購入価格
  • 代金の支払時期、方法
  • 物品の引渡時期、方法
  • 契約の申込みの撤回(契約の解除)に関する事項
  • 物品の引渡しの拒絶(法第58条の15)に関する事項
  • 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名
  • 契約の申込み又は締結を担当した者の氏名
  • 契約の申込み又は締結の年月日
  • 物品名
  • 物品の特徴
  • 物品又はその附属品に商標、製造者名若しくは販売者名の記載があるとき又は型式があるときは、当該商標、製造者名若しくは販売者名又は型式
  • 契約の解除に関する定めがあるときには、その内容
  • そのほか特約があるときには、その内容
解説

このほか相手方に対する注意事項として、書面をよく読むべきことを、赤枠の中に赤字で記載しなければなりません。また、クーリング・オフに事項と物品の引渡しの拒絶(法第58条の15)に関する事項についても赤枠の中に赤字で記載しなければなりません。さらに、書面の字の大きさは8ポイント(官報の字の大きさ)以上であることが必要です。

5.物品の引渡しの拒絶に関する告知(法第58条の9)

事業者は、クーリング・オフ期間内に売買契約の相手方から直接物品の引渡しを受ける時は、相手方に対して当該物品の引渡しを拒むことができる旨を告げなければなりません。

6.禁止行為(法第58条の10)

特定商取引法は、訪問購入において以下のような不当な行為を禁止しています。

7.第三者への物品の引渡しについての契約の相手方に対する通知(法第58条の11)

事業者は、訪問購入取引の相手方から物品の引渡しを受けた後、クーリング・オフ期間内に第三者に当該物品を引き渡したときは、以下の事項を、遅滞なく、相手方に通知しなければなりません。

8.事業者が物品を引き渡した第三者への通知(第58条の11の2)

事業者は、訪問購入取引の相手方から物品の引渡しを受けた後、クーリング・オフ期間内に第三者に当該物品を引き渡すときは、以下の事項を、施行規則の様式第5又は様式第5の2による書面にて、第三者に通知しなければなりません。

  • 第三者に引き渡した物品が訪問購入取引の相手方から引渡しを受けた物品であること
  • 相手方がクーリング・オフを行うことができること
  • 相手方がクーリング・オフできる期間に関する事項
  • 事業者が相手方に対して法第58条の8の書面を交付した年月日
  • 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名
  • 事業者が物品を第三者に引き渡す年月日
  • 物品の種類
  • 物品名
  • 物品の特徴
  • 物品又はその附属品に商標、製造者名若しくは販売者名の記載があるとき又は型式があるときは、当該商標、製造者名若しくは販売者名又は型式

※既に相手方がクーリング・オフを実行している場合は、当該事実ならびに上記1、5~10の事項を書面に記載する。

9. 行政処分・罰則

上記のような行政規制に違反した事業者は、業務改善の指示(法第58条の12)や業務停止命令(法第58条の13)の行政処分のほか、罰則の対象となります。

【民事ルール】

10.契約の申込みの撤回または契約の解除(クーリング・オフ制度)(第58条の14)

訪問購入の際、売買契約の相手方が契約を申し込んだり、契約をしたりした場合でも、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日間以内であれば、相手方は事業者に対して、書面により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)をできます。
なお、事業者が、クーリング・オフに関する事項につき事実と違うことを告げたり威迫したりすることによって、相手方が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合には、上記期間を経過していても、相手方はクーリング・オフをできます。(クーリング・オフを行う際には、後々のトラブルをさけるためにも特定記録郵便、書留、内容証明郵便等で行うことが薦められます。)

また、クーリング・オフを実行した場合、契約解除の効果は第三者に及ぶことになります。(ただし、第三者がクーリング・オフされる可能性があったことについて善意かつ無過失であった場合を除く。)

クーリング・オフを行った場合、相手方は、すでに物品を事業者に引き渡していたり、代金を受け取っている場合には、事業者の負担によって、物品を返却してもらったり、代金を返却することができます。代金の利息を返却する必要はありません。また、相手方は損害賠償や違約金を支払う必要もありません。

11.物品の引渡しの拒絶(第58条の15)

売買契約の相手方は、クーリング・オフ期間内は債務不履行に陥ることなく、事業者に対して契約対象である物品の引渡しを拒むことができます。

12.契約を解除した場合の損害賠償等の額の制限(法第58条の16)

クーリング・オフ期間の経過後、たとえば物品の引渡し遅延等売買契約の相手方の債務不履行を理由として契約が解除された場合には、事業者から法外な損害賠償を請求されることがないように、特定商取引法は、事業者が以下の額を超えて請求できないことを定めています。

  • 事業者から代金が支払われている場合、当該代金に相当する額
  • 事業者から代金が支払われていない場合、契約の締結や履行に通常要する費用の額

これらに法定利率年6%の遅延損害金が加算されます。

13.事業者の行為の差止請求(法第58条の24)

事業者が以下の行為を不特定かつ多数の者に現に行い、または行うおそれがあるときは、適格消費者団体は、事業者に対し行為の停止若しくは予防、その他の必要な措置をとることを請求できます。

  • 契約を締結するため、勧誘するときに、事実と違うことを告げる行為
  • 契約を締結するため、勧誘するときに、故意に事実を告げない行為
  • 契約を締結するため、または解除を妨げるため、威迫して困惑させる行為
  • 物品の引渡しを受けるため、物品の引渡し時期その他物品の引渡しに関する重要な事項について、故意に事実を告げない、事実と違うことを告げる、又は相手を威迫して困惑させること
  • 消費者に不利な特約、契約解除に伴い損害賠償額の制限に反する特約を含む契約の締結行為